恋人はサンタクロース

「今日は寒いからサンタも大変やろうなぁ」
「は?」
 平次はリビングの窓から銀世界を眺めながら、新一が思わず問い返してしまうようなことを、しみじみとした口調でつぶやいた。
 新一も平次も、終業式が終わってすぐに飛行機に飛び乗り、北海道にある工藤家の別荘へとやってきた――蘭にはただ単にスキー旅行に行くと言って出てきた。クリスマスは家族揃って過ごす!という工藤家の家訓に従い、新一は本来ならロスに行くはずだったのだが、コナンの姿では日本を出られるはずもなく、結果、両親が日本に戻って来ることとなったのである。
「いや、だからこんな寒い中プレゼント配って回るん大変やろうなぁ、って」
「・・・。本気で言ってんのか?」
「当たり前やないか。もしかしたら新一、サンタはおらへんと思ってるんちゃうやろなぁ。そりゃもちろん俺らみたいに大きなったら、もうプレゼントは貰われへんけどやなぁ・・・」
 呆れたように見上げる新一に、平次は真剣な表情で語りはじめる。
「ええか、サンタクロースっちゅうやつはなぁ・・・」
 呆気に取られて詳細は聞いていなかったが、ようするに平次は本気でサンタクロースの存在を信じているらしい。平次らしいと言えば平次らしいが、この歳でサンタを信じているのもどうかと思ってしまう。
「おめー、その話誰かにしたことあるのか?」
「小学生ん時に和葉に言うたら『そんなん誰かに言うたら笑われるで』って言われたからそれ以来誰にも言うてへん」
「じゃあ・・・」
 不思議そうに見上げる新一に『ん?』と微笑みかける。
「じゃあ、何で俺に話したんだ?」
「そんなん決まってるやんか。新一やったら笑わんと聞いてくれるって確信があったんや」
 真剣な表情で言われて、思わず顔が赤くなる。それを隠すように俯いた。
「笑ったらどうする気だったんだよ・・・」
「そのまま襲うつもりやった。『赤ずきんちゃん』の狼みたいに」
「誰が“赤ずきん”なんだよ」
 『そりゃあ新一やろ』と笑う平次を軽く睨んで、リビングを出ようとする。
「何処行くんや?」
「父さんに電話してくる。もう北海道に着いてるはずだから」
「赤い頭巾探しに行くんかと思たわ」
「バーロー、勝手に探してろよ」
 まったく、と呟きながら電話に向かう。『白乾児』を本気で風邪に効く薬だと思っていた平次のことだ、サンタクロースを信じていても不思議ではないような気がしなくもない・・・。
 それにしても・・・と新一は思う。17にもなってサンタクロースを信じているとは、天然記念物みたいなやつだよな、と。それと同時に、そんな平次に『サンタからの特別プレゼント』を用意しようとしている自分に苦笑してしまう。
「ま、いいか。年に一度のクリスマスだし・・・」
 そう呟きながら受話器を取った。
「父さん?実はちょっと買ってきて欲しいものがあるんだけど・・・」

 25日の朝、目覚めた平次の枕元に、サンタからのプレゼントと一通の手紙が置いてあった・・・・・・

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あとがき

 サンタさん、懺悔します。(何故サンタに懺悔?)
 このSS、短い上に訳の判らない終わり方をしてしまいました・・・。
 でもサンタさん!こんな瑞樹にプレゼント下さい(笑)
 冗談はさておき、ホントに駄文中の駄文になってしまったのですが、時間がない(現在、クリスマスイヴの午後一時過ぎ・・・)ので、書き直しも出来ず、そのままのUPです(泣)
 でもまぁ、クリスマス過ぎたら消してもらえばいいか、なんて開き直ってみたり(笑)
 ここまで読んで下さった皆様、お目汚しで申し訳ありませんでした(心からの謝罪)
 では皆様、よいクリスマスを〜♪

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