とにかく楽しければ…?1st.
とある日曜日、某世界屈指の推理小説家宅から、地面を揺るがすほどの怒鳴り声が聞こえた。
「てめぇら自分で作りやがれ〜」
怒鳴ったのは、現在のこの家の主である工藤新一。言わずと知れた『高校生名探偵』の彼がこれほどまでに怒鳴ったのには(当然の事ながら)わけがあった。
――三十分ほど前――
「あれ、もう三時か。そろそろ何か作るか、何も無いとアイツらうるせ―からな」
ぶつぶつと文句を言いながら、新一はキッチンへと向かった。
「何にするかな。あ、ホットケーキミックスがあるから、ホットケーキでいいよな♪」
文句を言っていたわりには、結構上機嫌でホットケーキを作り始める新一であった。
ホットケーキがちょうど焼きあがり始めた頃、玄関が勢いよく開き、元気のいい関西弁が聞こえた。
「ただいま〜!新一、腹減った〜!!お、何かええ匂いするなぁ。新一、何作ってんねん」
この家の居候、服部平次が帰ってきたのだ。ホットケーキの匂いを嗅ぎつけて帰ってきたのかと思うほど、タイミングのいい帰宅だった。
平次はキッチンに入って来ると、子供のように新一の周りをチョロチョロした。
「ホットケーキやんか♪俺の分もあるやんな♪」
「うっとしい、邪魔だ」
怒られてしまったため、大人しくテーブルについて新一をじっと見ている平次だった。まるで捨てられた子犬の様に?
「ただいま。新一、おやつは?」
またしても玄関からの声である。今度もこの家の居候、黒羽快斗であった。
「お前ら、食い物の事しか頭にねぇのか」
半分怒りつつ、半分は呆れながら、キッチンに入ってきた快斗に言ってみる。
「だっておやつは食べないと身体に悪いだろ?」
悪いわけ無いだろ。と思いながらも、もう何を言っても無駄だと悟った新一は、無言でホットケーキを焼いていた。数枚焼き上がったところで、一応聞いてみる。
「お前ら、何枚食う?」
「俺は何枚でも食うで♪」
「…快斗は?」
「俺も何枚でも」
「お前らに聞いた俺がバカだったよ…」
溜息しか出ない新一だった。
そんな新一に、平次がリクエストを出す。
「新一、俺生クリーム乗せて♪」
すると、負けじと快斗からも
「あ、じゃあ俺、生地にココア入れて♪」
またまた平次
「それやったら俺はチョコレートで字書いてや♪」
「じゃあ俺は…」
「…がれ」
「え?」
「てめぇら、自分で作りやがれ〜」
こうして、新一を怒らせてしまった平次と快斗は、この後一週間ご飯&おやつを作ってもらえなかった。
「新一〜、許してくれや〜」
「新一、許してくれよ…」
「ぜって〜許さねぇよ!!」
<教訓>ご飯を作ってくれる人を怒らせることほど恐い事は無い
あとがき
お昼ご飯代わりにホットケーキを作ってるときに、ふと書きたくなって、食べ終わってすぐ書きました(笑)
こんな三人の暮らしが、楽しそうでもあり、恐そうでもあり、でも仲間に入れて欲しいなとも思うし…。
ある方の小説を読んで、この三人の同居が書きたいなと思っていた矢先の作品です。
適当に書いたので、駄文中の駄文ですが、気にせずに読んでください。
何時になるか分かりませんが、続き書きたいので書きます。