お誕生日記念第三弾〜侑士編〜

 10月も中旬に差し掛かった某日の昼休み、宍戸亮は向日岳人によってとある空き教室に連れ込まれた。
「向日・・・何でコソコソ隠れてなきゃいけねーんだよ」
「しーっ、静かにしろよ宍戸。侑士に見つかったらどうするんだよ!」
 静かに、と言うものの、向日の声は宍戸のそれより遥かに大きい。
「お前の方が声でかいぞ・・・」
「え、あ、だからとにかく侑士にバレちゃいけないんだって」
 珍しい。引退前はもちろん、引退後も常に2人セットで行動している向日・忍足ペアである。向日が忍足に隠れて行動するなど想像したことすらなかった。
「何だよ、何か怒られるようなことでもしたのか?」
「何で俺が侑士に怒られなきゃなんないんだよ!」
 ポンポンと頭を叩かれながら言われたので、頬を膨らませて抗議する。
「違うのか?」
「当たり前だろ。そーゆーんじゃなくて、侑士の誕生日の話をしようと思ってさー」
「あー、確か15日だったっけ?」
「そーそー。で、宍戸の時と跡部の時にパーティーしたじゃん?だから侑士のもした方がいいよなぁ、って思って」
「そりゃまぁした方がいいんじゃねーの?俺としても自分だけしてもらって忍足のはしないってのはちょっとなぁ・・・」
 万が一忍足が廊下を通った時のことを考えて、廊下側の壁に背を預ける形で床に座り込む。
「だろ。だから宍戸と相談しようと思って」
 宍戸の隣に同じように座り込み、両手を頭の後ろで組み天井を見上げる。
「相談って言われても・・・何するんだよ」
「侑士ってさ、絶対遠回しにパーティー開いてほしいってなことを言いそうじゃねー?」
「あー、忍足のことだから言うだろうな」
「だからさー・・・」
 周りに誰もいないことは分かっているが、それでも用心深く周りを見回し、宍戸に耳打ちする。
「・・・・・・ってのどうかな?」
 楽しそうに返事を待つ向日の顔を見ながら、思わず吹き出した。
「な、何で笑うんだよー!宍戸!?」
「わりー。あまりにも向日らしいアイデアだったからよ・・・」
 謝りながらも笑いは止まらない。
「あー、もういーよ。その代わり宍戸が他のアイデア考えろよ」
「ちょっと待てって。誰もこのアイデアが悪いなんていってねーだろ」
 怒って立ち上がった向日を慌てて宥める。不機嫌そうな顔をしながらもとりあえずは座り直してくれた。
「そのアイデアでいいんじゃねーの。楽しそうだしよ」
「んじゃあ宍戸はこれに協力してくれるんだよな?」
「あぁ。別にいいぜ」
「やった。じゃあ跡部にも言っといてくれよ」
「は?何で俺が」
「だって俺が言っても跡部の協力得られなさそーじゃん。あと、鳳にも頼むな。ジローには俺から言っとくからさ。でもって日吉と樺地には鳳から頼んでもらってくれな」
「ちょ・・・向日!」
 言いたいことだけ言ってしまうと、『じゃあな』と跳ねながら教室を出て行く。もちろん、その耳には宍戸の制止の声など聞こえていない。
「ったく、しょーがねーなー」
 そう呟きながら、どうすれば跡部を説得できるか、に頭を悩ませる。しかし、出した結論は『まぁ何とかなるだろ』だった・・・。



─10月15日放課後─

 忍足侑士は自分の席でヘコんでいた。
「跡部と日吉が冷たいんはいつものことやとして、何で岳人と宍戸まであんな冷たいねん・・・」
 落ち込みの原因は友人たちの冷たい態度にあった。
 忍足侑士受難の日。すべての始まりは朝まで遡る。


 朝、始業前。毎日かかさず忍足の教室にやってくる向日が来なかった。
 寝坊でもして遅刻寸前だったのかもしれないな、とその時は深く考えなかった。が、結局昼休みまでの休憩時間、一度も顔を見せに来ることはなかった。
 昼休みにしても、忍足が4限終了のチャイムとともに教室を飛び出していなければ逃げられていただろう。
 廊下の角を曲がろうとしたところを忍足に捕まった向日は、観念して忍足のクラスで弁当を広げた。
「・・・にしても岳人。何か今日おかしいで?朝かて来ぇへんかったし、休み時間も全然顔見せへんから、休みかと思たわ」
「あー、今日遅刻しそうになってさ。んで、休み時間はちょっと色々やることあって・・・」
「まぁええけど。あ、そうや岳人。今日の放課後やねんけ・・・」
 忍足の発言は向日の大声によって遮られた。
「あーっ!悪い、侑士。俺ちょっと先生に用事があったの忘れてた。それと放課後なんだけどさ、家の用事で寄るとこあるから、先に帰ってていいから。じゃあな」
 まくし立てるように言った後、脱兎の如く走り去って行く。止める暇もない一瞬の出来事だった。
 向日に走り去られ、暇なので廊下をぶらついていると宍戸と鳳に遭遇した。
「げ、忍足先輩・・・」
 忍足に気付いたその一瞬、鳳はあからさまに嫌そうな表情を見せた。
「何やねん、鳳。その『げ』っちゅうんは」
「いえ、何でもないです・・・」
「何でもないっちゅうことないやろ。怒らへんから言うてみ?」
 隣の宍戸に眼で助けを求めるも、逆に睨まれてしまった。仕方がないので腹をくくって口を開く。
「忍足先輩、いつも俺と宍戸さん間に割り込んでくるんで・・・会いたくないな、というか・・・」
「お前、俺のことそんな風に思とったんかい・・・。まぁそないに大きくは間違うてへんからええけどな」
「やっぱり意識的に邪魔してたんですか?」
「当然やん」
 キッパリと言い切ると、泣きそうな表情をされた。そんな鳳を苦笑しながら見、思い出したように問いかける。
「あ、そうや。自分ら放課後ヒマある?」
「放課後・・・ですか?」
「そ、放課後。今日俺のた・・・」
「あ!!すいません。今日の放課後、宍戸さんとデートなんです!ね、宍戸さん?」
「え・・・あ、そうそう。悪いな、忍足。また今度な」
「デートやったらしゃーないな・・・」
 「馬に蹴られて死にたないし」と笑いながら、宍戸の肩を軽く叩く。
「そしたら俺もう行くわな。デート頑張りや、宍戸」
 意味深な笑いを残して立ち去る忍足の背中を見送る。角を曲がったのを確認して、宍戸の怒りを含んだ声が低く響いた。
「・・・長太郎。誰と誰がデートするって?」
「え、あ、だって本当のこと言う訳には・・・」
「だからって他に何かなかったのかよ。デートとか言うなよな。ったく、ダセーだろーが」
「すいませんでした。・・・でも背中つねらなくてもいいじゃないですか」
「何だよ。ぶん殴られた方が良かったのか?」
 しっかり握り込まれた拳と、その瞳から「本気」の2文字を感じた鳳は、素直に降参する。
「・・・2度と人前でデートとか言いませんから、その右手下ろしてください」
「分かりゃーいいんだよ。分かりゃー」
 結局、鳳が宍戸に敵うわけがないのである。


 一方忍足はというと、宍戸たちと別れたあと日吉に遭遇した。
「おお、日吉やん。こんなとこで何しとん?」
「こんなところって・・・ここは2年の教室棟ですよ。むしろ忍足さんがいることの方が不思議ですが?」
「あぁ、ボーっとしとったら渡り廊下越えとったんやなぁ。ほんで、何しとん?」
「特には何もしていませんが」
「そうみたいやな。あ、そうや日吉。一応聞くけど、今日何の日か知っとる?」
 一応と言ったわりには、多分に期待の混じった眼差しで問いかける。問われた日吉はというと、表情をまったく変えることなく、さらりとその期待を叩き切った。
「知りません」
「そーやろなぁ・・・」
 思わず溜息が漏れたが、すぐに普段の飄々とした表情に戻る。
「ほな、俺もう行くわ」
「そうですか。それじゃ・・・」
 小さく礼をする日吉に手を振りながら、特別教室棟の屋上へと足を向けた。


「あれ、跡部やん」
 屋上に昇ると、柔らかな日差しの下で憩う跡部の姿を見つけた。自分に気付いた跡部に忍足が軽く手を挙げると、冷たい言葉で返ってきた。
「何しに来たんだよ、忍足」
「ご挨拶やなぁ。この広い学園内でこうして会えたんも何かの運命やんか♪」
 軽口を叩きながら抱きつこうとすると、後ろから襟元を掴まれた。
「樺地、どっかに捨てて来い」
「ウス」
 跡部の言う事なら何でも素直に聞く樺地である。有無を言わさぬ力で引き摺られ、慌てて謝罪する。
「あ、跡部。悪かったって!」
「それだけか?」
 そうしてる間にもどんどんとエレベータホールに近付いて行く。
「もう抱きつこうとしたりせぇへんから、頼むから樺地止めてや」
「樺地、止まれ」
「ウス」
 エレベータホールに一歩踏み入ったところで止まった。引っ張られた襟元を正しながら、跡部の近くに戻る。
「ホンマ冗談通じひんなぁ、自分。・・・まぁええわ。何か言うたらまた樺地に運ばれてしまう」
「判ってんならグダグダ言ってんじゃねーよ」
「あれ、ジローもおったん?」
 さっきは気付かなかったが、跡部の向こう側に寝ているジローの頭が見えた。
「あぁ。昼飯食ってすぐに寝たけどな」
「ま、ジロちゃんらしいてええんちゃう」
「まぁな・・・」
 滅多に人に見せることのない柔らかな笑顔でジローの寝顔を見下ろす跡部。隣に腰を下ろしながら、あまりにも珍しかったので思わず凝視してしまう。
「なんだよ。人の顔ジロジロ見てんじゃねーよ」
「いやー、美人やなぁ思て」
「当たり前のこと言ってんじゃねーっての。で、何か用でもあるのか?」
「んー、別に用っちゅう訳やないねんけどな。ボーっと歩いてたらたまたまここにたどり着いたっちゅうか・・・」
「ふぅん。まぁ用がねーんなら俺には関係ないからどうでもいいけどな」
「うわっ、冷た」
「事実だろうが」
「そんな冷たいこという跡部のことやから、今日の放課後空いてたりする訳ないよなぁ?」
「放課後?」
 ここまで全員にフラれ続けてきた所為ですっかりヘコんでいた忍足だったが、跡部の返事に更に落ち込むことになる。
「今日の放課後はジローとTDLに行くが・・・それがどうかしたか?」
「あっそ。まぁ聞いた俺がアホやったわ。樺地も行くんか?」
「バーカ、樺地は部活があるだろーが。部活が終わったら家の用事で直帰だしな。なぁ樺地」
「ウス」
「さよか・・・。ほな俺もう行くわ」
「あぁ」
 階段を降り──エレベータを待つ時間が嫌だった──特別教室棟、2年教室棟を通り抜ける。教室の自分の席に着くと、机に突っ伏してしまった。
「はぁー、何なんやろ・・・」
 溜息が止まらない。
 みんな冷たすぎるわ。宍戸ん時も跡部ん時も結構頑張って企画したのに。・・・いや、別に自分の誕生日を祝てほしいから企画した訳やないけど。それでもやっぱり冷たいやんなぁ・・・。
 そんなことを延々と考えていると、いつの間にか午後の授業は終わり、HRすら終わろうとしていた。
「侑士ー。今日誕生日だよね?はい、プレゼント」
「忍足君、誕生日おめでと」
 HRが終わると、クラスメートの女子が10人ほど集まってきた。口々に祝いの言葉を述べ、プレゼントを渡される。
「覚えてくれとったんや。めっちゃ嬉しいわ、ありがとう」
 落ち込んでいてテンションが低いとはいえ、せっかく誕生日を祝ってくれる女の子たちに不機嫌な顔をする訳にもいかない。作り笑顔、とまではいかないが営業スマイルに近い笑顔を返しながら、集まった女子たちに礼を言う。
「ねぇ侑士。予定ないんだったら、今からみんなでカラオケとか行かない?」
 一人の子が提案する。普段から積極的にアプローチをしてくる女の子だ。
「あぁー、うん・・・」
 何か予定があるわけでもないし、それもいいかなと思いかけたとき、屋上で別れ際に跡部に言われた一言が頭をよぎった。

──Alles Gute zum Geburtstag. Wir erwarten dich um sechs Uhr. ──

「早口であんまり聞き取られへんかったけど、ドイツ語・・・やんなぁ。多分」
「え、ドイツ?」
 話の流れとはまったく筋違いな単語がつぶやかれ、カラオケに誘った女子は当惑した。
「あ、いや、何でもないねん」
「で?カラオケ行く?」
「・・・ごめん。予定入ってるから、今日は帰るわ」
 その場にいた女子たちの間に、重い落胆した空気が流れる。しかし笑顔は崩すことなく、忍足を見送った。
「それじゃ、また明日ね」
「今度はカラオケ行こうね。じゃ、また明日」
「バイバイ・・・」
 また明日、と言いながら手を振って教室を後にする。
 学園の門を出てしばらくしたところで、周りに誰もいないことを確認してから立ち止まった。
「・・・何やってんやろ、俺」
 跡部の言った言葉の意味が分かった訳でもなければ、誰かが誕生日を祝ってくれる訳でもない。なのに何故自分は女の子の誘いを蹴ってまで帰ろうとしているのだろう。
 自問自答を繰り返しながら、ゆっくりと自宅に向かって歩き始めた。


 午後6時前。することもなく暇を持て余した忍足がベッドで不貞寝をしていると、携帯に電話が掛かってきた。
「はい、忍・・・」
 電話の相手は忍足に最後まで言わせず、慌てた様子で怒鳴るようにまくし立てた。
『あ、忍足。大変なんだ!今すぐ部室まで来てくれ!!』
「って宍戸か?どないしてん、そんな慌てて・・・」
『だから大変だって言ってんだろ!向日が大変なことになってんだよ!!』
「岳人が?大変なことって、何があってん」
『さっき部室で倒れて・・・ああ、もうとにかく部室まで来い!詳しい話はそれからだ』
「分かった、すぐ行くわ。俺がそっち着くまで岳人のこと頼んだで?」
『あぁ。とにかく急げ』
 電話を切り、携帯と財布だけを手に学校への道をひた走る。頭の中では切羽詰った宍戸の声がリピートされ続けている。
 『向日が大変なことになってんだよ!さっき部室で倒れて・・・』
 考えたくはないのに、最悪の状況が浮かんでくる。必死で嫌な想像を頭から振り払い、氷帝学園を目指して爆走した。
「待ってろや、岳人。今すぐ行くからな」
 そのときの忍足の脳内には、なぜ向日や宍戸が部室にいたのか、という疑問は微塵も湧かなかった・・・。


「あ、忍足」
 部室の前で、宍戸が待ち構えていた。
 息を整えながら、宍戸の肩を掴んで問い質す。
「宍戸、岳人はどないしてん!倒れたってどういうことや!?」
「あーそれが・・・」
 忍足から視線をそらしながら、何かを言いにくそうに口ごもる。
「何やねん・・・。まさか・・・」
 その様子に顔色を変えた忍足を見て、仕方がないという風に宍戸が口を開く。
「忍足・・・何があってもいいんなら、そのドアを開けろ・・・」
「何があっても・・・?」
「あぁ、俺に言えるのはそれだけだ・・・」
「岳人は、こん中におるねんな?」
 宍戸が頷くのを見て、部室のドアノブに手をかける。微かに震える右手を叱咤し、意を決して勢いよくドアを開け放った。
 その瞬間
「侑士ー!誕生日おめでとー!!」
 部室で倒れたはずの向日に飛びつかれた。
「が、岳人?どないしたん。倒れたんちゃ・・・」
 そこまで言ったところで、ようやく自分がハメられたという事実に気付いた。見ると、部室の中には今入ってきた宍戸の他に、跡部、ジロー、鳳、日吉、樺地、と昼間ことごとくフラれた面々が揃っていた。
「お前らみんなして俺のことハメたんか?」
 怒気を含んだ声で全員を睨みながら問い掛けると、跡部が表情一つ変えずに返答する。
「文句なら岳人に言え。この計画を考えたのは岳人なんだからな」
「そうですよ。俺はこんなことに巻き込まれて、はっきり言って迷惑してるんです。文句は全て向日さんにお願いします」
「え〜、日吉迷惑なの〜?俺は結構楽しかったけどな〜。ね、跡部」
「お前は何もしてないだろ、ジロー」
「でも俺、忍足に何にも言ってないよ?これも協力だよね〜?」
「ジロー先輩の場合、言ってないというより寝ていて何も言えなかったの方が正しいんじゃないですか?」
「・・・鳳減点〜」
「え、減点って何なんですか?」
「減点は減点〜。ね〜、宍戸」
「ここで宍戸さんにふるってことは、宍戸さんの俺に対する点数が減点ってことですか?」
「あ?意味分かんねーこと言ってんじゃねーよ。ったく、激ダサだな」
「だってジロー先輩が」
 話がどんどんずれて行くジローや鳳はこの際無視することにした。とにかくこの一件の首謀者らしい向日に話を聞くべく、抱きつかれたままになっていた向日を引き剥がす。
「岳人。ホンマに岳人が考えたんか?」
「・・・うん。侑士、怒ってる?」
「そら怒りたくもなるやろ?放課後の事でみんなに嘘吐かれたんはまだええとして、岳人が倒れたて聞いたときは心臓止まるかと思たんやで?」
「ごめん・・・。でも俺、侑士の誕生日にサプライズパーティーやりたくて・・・」
 消え入りそうな声で謝りながらうなだれる向日を前に、忍足の怒りが続くはずもない。
 そっと頭を撫でると、溜息をひとつ落とす。
「分かった。もうええから顔上げ」
「え、でも侑士怒ってるし・・・」
「岳人がホンマに俺の誕生日祝おうと思てやったことやから、これ以上怒らへんよ」
「ホントに・・・?」
 おずおずと顔を上げながら確認する。
「ホンマやって。ほら、祝ってくれんやったらちゃんと笑顔で祝ってくれなあかんやろ?」
「うん。さすが侑士。人間出来てるー!」
 心底嬉しそうに見上げられると、本当に怒りなど吹き飛んでしまった。代わりに、誕生日をしっかり覚えていてくれた喜びが湧き上がってくる。
「ホンマ覚えてくれててありがとうな」
「えー、そんなの当然じゃん?俺たちダブルスのパートナーなんだしさ」
 このまま放っておくと2人の世界に突入しかねない忍足と向日に、跡部がストップをかけた。
「おい、お前ら。そのままイチャついてんなら、この後のパーティーは俺たちだけでやるが、いいんだな?」
「えぇ?それじゃ意味ないじゃんか、跡部。侑士の誕生日なのに、侑士抜きでパーティーやってどうするんだよ」
「ならとっとと行くぞ」
「分かったって。侑士、行こうぜ」
 跡部の号令の下、どこかに移動するらしい。
 忍足も向日に並んで、あとに続いた。
「行くって、どこでやるん?そのパーティー」
「跡部ん家」
「ほなまた日吉とキンキでも歌おか」
「あ、いいじゃん。んじゃ俺、ジローとV6歌おっと」
「嫌がらせばかりするのいいかげんにしてもらえますか」
「ええやん。今日は俺の誕生日なんやし。ちょっとぐらいワガママ聞いたってや」
「そうだぞ、日吉。侑士の誕生日パーティーなんだから、侑士のワガママ聞かなきゃ」
「忍足さんの嫌がらせは誕生日に限った事じゃないでしょうが」
「そうやったか?まぁええやん。あんまり気にしたら老けるで?」
「・・・大きなお世話です」
 忍足の受難は終わりを告げたが、日吉の受難はこれからが始まりである・・・。
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あとがき

 ・・・・・・・・・まずは懺悔から。
 忍足さん、誕生日に間に合わなくてごめんなさい・・・(泣)
 という訳で、何とか10月中に出来上がりました「忍足侑士誕生日記念SS」。
 誕生日なのに、侑士がえらくヘタれてます・・・。これは侑士ファンにも懺悔が必要かなぁ。
 嫌いじゃないですけどね、侑士。むしろ好きですよ、氷帝のおかん☆(笑)
 あ、もうひとつ懺悔を。作中のドイツ語、かなり適当です・・・。
 一応辞書を片手に頑張ったんですが、いまいち良く分かってません(苦笑)
 多分大丈夫だと思うんですけどね・・・。
 ってなところで、ここまで読んでくださってありがとうございました。
 誕生日記念SSは第3弾の忍足編をもってとりあえず終了です。
 次は2月ぐらいに単発でやります(多分)。お楽しみに〜☆

ちなみに、ドイツ語の意味は…。

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