ショートショート−雪と氷帝メンバー。
CASE 1 宍戸と鳳
「あ、宍戸さん。外見てください。雪降ってますよ」
「げっ、どうりでバカみてーに寒いと思った…」
「積もると思います?」
「このままの調子で降ったら積もるんじゃねーの」
「積もったら雪合戦しましょうねv」
「寒いのにわざわざ外出なくったっていーだろ」
「えー、でも楽しいですよ。宍戸さん、雪あんまり好きじゃないんですか?」
「大好きではねーな。積もったら雪掻きしねーとテニスも出来ねーし」
「俺なんか、雪降ってると嬉しくて外に飛び出して行きたくなりますけどね」
「『犬は喜び庭駆け回る』とは良く言ったもんだな(笑)」
「え、もしかしてその『犬』って俺のことですか?(汗)」
「他に誰が居るんだよ」
「……」
(犬と飼い主の価値観の相違)
CASE 2 忍足と向日
「げっ、雪降ってんじゃん。くそくそっ」
「岳人雪嫌いなん?なんか意外やな」
「別に雪が嫌いってわけじゃないけどさー。これじゃ今日の部活がなー」
「……体育館で基礎練確定、やな」
「だろっ!?やってらんねぇよ、あんな疲れるだけのメニュー!」
「そやな。岳人体力ないしなぁ」
「うるせーよ!侑士」
「図星やん。なら頑張らなあかんやろ?」
「……」
「……」
「………なぁ」
「ん?」
「なんで雪ってみーんな『白』なんだろーな。赤とかのがカラフルで良くねぇ?」
「………いや、赤はちょっと生々しいやろ」
(ある日の会話)
CASE 3 芥川と日吉
「日吉〜、見て見て〜!雪降ってるC〜」
「今日はこの冬一番の冷え込みらしいですからね」
「日吉日吉!雪だるま作ろ〜」
「雪だるまも何も、まだ積もってもないですけど」
「そのうち積もるC〜」
「もう少ししたら止むんじゃないですか。そんな事より、袖を引っ張っているこの手、離して貰えませんか?俺、これから部活なんで」
「ん〜、分かった離…zzz」
「って、ちょっと!こんな寒空の下で寝たら、いくらアンタでも凍死しますよ?起きて下さい」
「ん〜じゃぁおんぶ〜」
「…部室以外の場所には寄りませんが」
「いいよ〜。部室で日吉が部活終わるの待ってる〜」
「…それは、帰りも送って行けってことですか?」
「ん〜そうかも」
「まったく…先輩のくせに後輩に面倒掛けないで貰えますか」
「…日吉、怒った?」
「別に怒ってる訳じゃないです。芥川さんに面倒掛けられるのなんて、日常茶飯事ですから。それより、ちゃんと掴っていて下さい。でないと落ちても責任取りませんよ」
「うん。ありがと、ひよC〜vvv」
(彼らの日常)
おまけ CASE X 二年生S in3月
「…雪…です」
「あぁ。そうだな。通りで寒いわけだ」
「ウス」
「もう三月だっていうのにまるで冬だな。……おい鳳、放課後の部活のメニューだが…」
「………」
「……おい、バカトリ聞いてるのか。呆けるのは授業中だけにしておけ(呆)」
「……なぁ、日吉」
「………なんだ?」
「雪が降るのって冬だよね」
「…通常はな」
「春には雪は降らないもんね」
「……東京ではな」
「……」
「……」
「なら!宍戸さんが卒業するのはまだまだ先だよなっ!!だって今は雪が降る冬なんだから!」
「…………」
「……(期待を込めた眼差し)」
「………どこをどうしたらそうなるっ!?そんなおめでたい事実はお前の頭の中だけで十分だ」
「えー…日吉冷たいー。ね、樺地もそう思う?」
「ウス」
「(思うとか思わないの問題じゃないだろうがっ!)」
「じゃぁ……今年の冬が来たんだから次に春が来たら宍戸さんと高校でまた会えるとか!(握り拳)」
「………現実逃避なんかしてないで、とっとと仕事しろ(怒)」
(三月、季節外れの雪を眺めて)